Facebookで友達500人
リアルでは友達3人

 そして、友情は質でなく量が重視される時代へ。

 大事なのは友達を追加すること。

 だから、どこかのパーティーへ行くと、翌朝には、前夜に知り合ったばかりのよくわからない人たちから友達申請が25件届いている、なんてことが起きていた。

 友達の人数は比較する対象となった。私はフェイスブックの友達が500人超に達して、得意になっていた時期があったものの、あのころ現実世界でつきあいのあった友達は3人だけ。オンラインの世界の「友達」とどこかですれ違っても、きっとほとんど気づかなかっただろう。その理由は、相手のプロフィール写真が、何年も前にギリシャのビーチリゾートでナイトライフをエンジョイしているときに撮影されたものだから、ということだけじゃない。

 なにも、SNSの罪悪を嘆こうというわけじゃないので、安心してほしい。そういうのはもう、色々なところで散々言われている。スマートフォンが本当の友達じゃないことも、もうみんな知ってる。

 それに、SNSはどこへも行きつかないし、新しいプラットフォームがつねに誕生していることに、いまや誰もが気づいているんじゃないだろうか。使っているのがSnapchatでもTikTokでも、ツイッター(現X)でもインスタグラムでも、私が知ったときにはもう最新じゃなくなってる最新のプラットフォームでも、こと友情に関する限り、どれもが同じジレンマをもたらすのだ。

 友達とのつながりを維持しつつ、意義ある形でコミュニケーションを取るために、SNSをどう利用するかという問題を。