チャンスを逃すのでは
という恐怖心を煽るSNS

 知らないうちに自分だけなにかを逃してしまったらどうしよう、という恐怖心に陥らずにいるなんて、いつもそうたやすくできることじゃない。友達が自分と一緒にいないときに、自分以外の人と一緒になにかしてるなんてわかりきっているけど、SNSはこれまでにないやりかたで、それをこちらの鼻先に突きつけてくる。友達に切り捨てられたことのある人だったら、おおいに妄想をかきたてられてしまうかもしれない。

 これが自分の世代の孤独感につながっていると、27歳のサメーハは思っている。

「クレイジーだと思います。SNSに浸りすぎだし、大勢の人と『知り合い』なのがあたりまえだなんて。フィードされてくるのは、たいていはその人が見せたいと思うものだけってパターンだし。人望がすごくあるように見せたいだけとか、大勢の人に囲まれている姿を発信したいだけとか、だいたいそんなところですね」。

 ご存じのとおり、いまの私には、いろんなところにいろんな友人たちがいる。人生のさまざまな場面で知り合った、さまざまな女性たちが、私の足りないところを補ってくれている。一緒に楽しめる話題や、おもしろいねと言いあえる映画やテレビ、料理なんかは、相手によって全然違う。深い話ができる友達がいるし、考えるより行動するほうが得意な友達もいる。色々な関係が交ざり合っているのだ。