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外見重視か居住性重視か?

 今回発表されたシャープのLDK+はワンボックスカーです。未来的な外観デザインではありますが、形は四角い箱で、雰囲気は業務用の商用車そのものです。

 一方で、これまで何回かメディアの前で披露されてきたソニーの試作車はどれもスポーティーな外観のデザインでした。

 どちらが売れそうかというとソニーですが、どちらが発想が突き抜けて新しいかというとシャープだと思います。というのも、シャープのLDK+のコンセプトは「居住性」に振り切っているからです。

 車内でガンガン音楽をかけながら夜のハイウェイを疾走するならソニーのほうが断然イケているのでしょう。ただ、乗り心地だけを考えると、外見がイケてなくても真四角の直方体の方が居住性は断然いいものです。

 これは旧来のクラウンのタクシーと、最近主流の箱型のジャパンタクシーのどちらの居住性がいいかを思い浮かべていただけると実感できるのではないでしょうか。

 車を流線形にするか箱型にするか?これは未来の車がどのような使われ方をするかを想像する視点の違いで考えが分かれます。少なくともソニーとシャープはこの視点がはっきりと別方向に分かれている点が面白いのです。