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先進国市場か中国アジア市場か?

 実際に発売される時期が近付いているソニー・ホンダと、まだコンセプトカー段階のシャープを比較するのは若干早計かもしれませんが、両者のコンセプトを比較すると想定している市場がどうやら違いそうです。

 ソニーの場合、2026年に日米欧の先進国でのユーザーをターゲットにした売り方を想定しているように感じます。

 ソニーが提供する車内空間での「感動」の一例としては、先ごろ世界10万局のラジオを聴くことができるアメリカのTuneIn(チューンイン)というサービスを採用することを発表しました。

 ソニーの強みを考えると、今後、ソニーグループの音楽、映画、ゲームなどとの連携に加えて、スマートスピーカーを通じたAIサービスなどが搭載されることが予想されます。あくまでイメージですが、アマゾンが提供するオーディブルのような音声読書サービスや、DAZNの提供するスポーツコンテンツなどが搭載された車が登場することになるでしょう。

 一方でシャープの場合、車を売ろうとするメーカーが普通に考える「需要」をあまり気にしていないように感じます。

 車の場合、ドライバー=購入者になるケースが多いのですが、シャープのLDK+はドライバーが販売上のターゲットには見えません。なにしろシャープが取材協力したニュースの映像でも運転席は映されず、リビングの部分しかハイライトされていません。

 ではこのシャープの試作車のような車を利用するのはどのようなユーザーなのでしょうか?普通に考えると3種類のユーザーが想定できます。