――その話は難関校に合格した子の母から聞いたことがあります。真面目にやっているのに点数には結びつかず、親のほうがヤキモキしていたらしいんです。でも、6年生のお正月明けに覚醒。本人は「ジグソーパズルのピースが埋まった」と言ったそうです。その母いわく「過去問が命」とのことです。過去問についてはいかがですか?

 入試問題は毎年まったく別の問題が出ますが、パターンは同じです。過去5年分をやって、2周目に入れば点数が取れるようになる。2回目だから点数が取れるのは当たり前と思うかもしれませんが、それは当たり前ではありません。実力がついたから、点数が取れるようになったということです。最後は自信をつけてあげること。これが大事です。それと、1月の入試初戦で受かれば乗ってきますから。やっぱり、初戦は大事だと思いますよ。

――子どもに自信をつけさせるというのは親が思う以上に大事なんですね。塾の先生の力も借りながら、親子で頑張る中学受験ですね。

 そうです。何より、中学受験を親子で楽しんでほしいですね。子どもには、塾で勉強することが楽しい、たくさん勉強できることが楽しいと思ってもらえるよう、これからも私たちは努力を続けていきます。

――ありがとうございます。次回は「中学受験をしたほうがいい子・いけない子」についてのお話を伺います。

広野雅明さん
SAPIX教育事業本部本部長。SAPIX草創期から、一貫して算数を指導。算数科教科責任者・教務部長などを歴任。現在は、入試情報、広報活動、新規教育事業を担当。