任天堂が突然「取り締まり強化」のなぜ、競合メーカー提訴や迷惑ユーザー制裁を加速する真意ポケットペアを提訴し、人気ゲーム『スプラトゥーン』でも異例の取り締まりを始めた任天堂 Photo:PIXTA

任天堂が人気ゲーム『パルワールド』を手がけるポケットペアを提訴し、ゲーム業界やファンを騒がせている。同時に任天堂の人気タイトル『スプラトゥーン』でも、迷惑ユーザーへの取り締まりが行われた。なぜ任天堂の取り締まりは急に厳しくなったのか。この動きから見られる、任天堂の「覚悟」とは。(フリーライター 武藤弘樹)

なぜ?『パルワールド』を任天堂が提訴
『スプラトゥーン』でも異例の取り締まり

 任天堂とポケモン社は共同で、『パルワールド』というゲームを制作したポケットペアを提訴した。『パルワールド』は世界中(特にアメリカ、中国)で大ヒットしている作品だが、ちょっといわくつきで、キャラやゲーム内容が一部本家のポケモンシリーズ(ゲーム)に激似な上に、捕まえたポケモンのごときキャラを強制労働の駒にしたり解体して肉にしたりできる点が本家ポケモンシリーズにはなく発展的であり、発売当初からとかく注目されていた。

 パルワールドの発売は今年1月。リリース3日で売上500万本という記録的な売れ方を示した。ポケモン社は1月末に自社公式サイトで『パルワールド』の名指しを避けつつ、「パルワールドに関する問い合わせがすごく多いけど、ポケモン関連の利用許諾はしていない。調査を行った上で適切に対応していく」という内容の、牽制のような警告のような声明を出していた。

 一方、ところ変わって任天堂の人気タイトル『スプラトゥーン』では今年9月、運営がユーザーに対して異例の取り締まりの動きを見せていて、それと前述のポケットペア提訴は偶然時期が一致しただけであろうが、この2つの動きから任天堂のこれからの覚悟が漂ってくるように感じられるのであった。その任天堂の“覚悟”について詳しく解説したい。