任天堂は過去に複数の裁判で勝訴しており、「任天堂法務部は世界最強」というネットミームもあるのだが(実際は法務部の業務は別にあって、知的財産部が商標・著作権関連の業務を担当しているようである)、訴訟に至るときは自社のキャラや技術を守るためであったり(マリカー裁判やコロプラ裁判)、自社のためでありつつもゲーム業界全体の利益につながるものであったりする(マジコン裁判/ゲームソフトを不正にコピーして遊べる“マジコン”という機器の製造などが禁止となり、ゲームソフト開発会社が被る不利益を回避した)。
【参考】
任天堂 仕事を読み解くキーワード 法務部
https://www.nintendo.co.jp/jobs/keyword/45.html
任天堂 仕事を読み解くキーワード 知的財産部
https://www.nintendo.co.jp/jobs/keyword/104.html
どの事例にも共通しているのは「一線を越えると任天堂は動く」ということで、今回のポケットペア社提訴を通して、任天堂には「超えてはいけないラインを示そうとしている意図」もあるように思われるのであった。
ついに始まった
迷惑プレーヤーへの取り締まり
次に『スプラトゥーン』の話である。『スプラトゥーン』は私が大いにハマっている対戦ゲームで、対人戦だからこそ面白いが、人対人だからこその諍いも頻発する。
スプラトゥーンも、他の対人ゲーム同様、悪質なプレーヤーを通報できるのだが、それに対する明確な取り締まりがなされているかは不透明であった。シリーズ中、現行の『3』では通報機能がより詳細になったが、それでも通報して効果があったかは結局わからないままで、煽り(対戦相手に対する不必要な挑発行為)を見つけては日々せっせと通報する私のYouTube配信に煽った本人が現れて、「煽りで通報してもbanされないのに、顔真っ赤にして通報してて、クソ底辺配信者笑えるwwww」といった暴言を吐いていくこともあるくらいだ。当然私の中で悪質プレーヤーへの穏やかでない気持ちは順当に育まれているのだが、『スプラトゥーン』に限らず対人ゲームをする人なら、同種の不快な体験をしたことが必ずあるはずである。
とかく悪質プレーヤーへの取り締まりが待望されていた『スプラトゥーン』において、潮目が変わったのは今年6月のゲームのアップデートである。アップデートに「フレンド申請による嫌がらせ」(無言電話のようなもの。フレンド申請機能を悪用して、マッチングした相手に対して匿名で嫌がらせができる)を回避する仕組みと対処法が盛り込まれ、さらに「迷惑行為、嫌がらせ行為、その他精神的被害を与える行為は利用規約で禁止されている」と、マナーの芳しくないゲームプレイに関して初めて積極的な言及が行われたのであった。