生成AI 大進化#17Photo:BlackJack3D/gettyimages

生成AIブームに火を付けた「ChatGPT」の登場から約2年。生成AI市場は2027年には1200億ドル規模と急成長が見込まれる。進化を続ける生成AIは、日常で使うアプリケーションや業務ソフトウエア、端末に入り込み、実用的なフェーズへと突入した。生成AIは金融業界を始め、あらゆるビジネスを激変させるだろう。特集『生成AI 大進化』の#17では、生成AIがビジネスなどの現場にもたらす未来図を展望する。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

人類より賢いAIは「数千日以内に誕生」
ChatGPTの生みの親、サム・アルトマンの予言

「スーパーインテリジェンスは数千日以内に誕生する可能性がある(!)」

 9月23日、米オープンAI創業者のサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)は、人類よりはるかに賢いAIの誕生時期について、自身のブログでこう“予言”した。

「知性の時代」と題したこの投稿で、アルトマン氏は「AIは規模が拡大するほど性能は高まり、世界中の人々の生活を改善する」と指摘した上で、「気候の改善や宇宙コロニーの建設、物理学の発見といった驚くような成果が、やがて当たり前になるだろう」と自身の見解を披露した。

 2022年11月に同社がChatGPTを発表してから約2年。生成AIはすさまじい勢いで発展を続けている。米大手テック企業は巨額投資を推し進め、AIの学習用半導体を手掛ける米エヌビディアの時価総額は、一時は世界首位にまで押し上げられた。

 米ボストン コンサルティング グループの予測によれば、生成AIの市場規模は年平均66%の急成長を続け、27年には1200億ドル規模に達するという。

 まるで人間に指示しているかのごとく、言葉で命令を聞いてくれる生成AIは、あらゆるビジネスに変革をもたらす。