進化を続ける生成AIはソフトウエアやアプリに組み込まれ、実用的になってきた。生成AIはもはや一過性のブームではない。生活やビジネスを一変させ、社会を変革する存在だ。そして文系こそ、生成AI活用のチャンスがある。特集『生成AI 大進化』の#13では、生成AI時代のビジネス必須スキルを解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
50代事務職女性でも“変われる”
生成AI研修で気付いた可能性
「生成AIを使ってみて、世の中はここまで進んでいるんだとカルチャーショックを受けた。自分も変われるかもしれない」
5月から生成AIを学び始めた、神奈川県に住む50代の女性はそう振り返る。派遣社員として国内大手メーカーで働き、仕事は事務作業が中心だ。エンジニア系の業務経験はほとんどない。
自分なりに今の派遣先に貢献してきたつもりだったものの、今春の組織変更に伴う人員配置で軽んじられた。内部通報制度を利用して訴えたものの、無視された。
「悔しかった。自分の価値を高めて、どこでも仕事ができる人材になりたい」
そんなとき、米マイクロソフトが女性向けの生成AI研修プログラムを日本で始めることをニュースで知り、「これしかない」と受講を希望したところ、1期生として参加が認められた。
研修でマイクロソフトの生成AI「Copilot」の使い方を学び、自動翻訳の速さと正確さに衝撃を受けた。生成AIの利用を習慣化しようと、天気や料理のレシピ、プロンプトの作り方など、毎日何かをCopilotに聞く日々が始まった。
次第に、今の業務も生成AIを使えば簡単にできることが見えてきた。