辛口レビューまとめ
無条件におススメできるわけではない理由とは?

 先述のとおりスズキは、20年にソリオの現行モデル(第4世代)を発売した際、旧型にあったストロングハイブリッドを引っ込めたが、22年末にストロング版を再登板させた経緯がある。

 一度引っ込めた理由は、ずばり、販売が振るわなかったから。それでも、ガソリン高騰でユーザーの燃費への関心が高まっている点、車体を延ばしたことで床下収納がなくとも荷室容量を十分に確保できるようになった点などを背景に、ストロングハイブリッドを復活させたというわけだ。

 ストロング版のメリットは主に3つ。マイルド版に比べて適当な運転でも燃費を出しやすいこと、本気でエコランをした際の伸びしろが大きいこと、パワーフィールが気持ち良いこと。

 もっとも、前編でも念押ししたように、無条件におススメできるというわけではない。なぜなら、20万円近く安いマイルド版の出来が良すぎるからだ。それでもストロング版を買う意味があるかどうかは、年間走行距離やガソリン単価次第というところだろう。

 それにしても、Aセグメントモデルがこれだけ高い長距離ドライブ耐性を示すようになったとは、心底驚かされる。いやはや、今回は辛口レビューと銘打つほどではなくなってしまったので面映ゆいが、クルマは日常生活やちょっと遠出するときのツールと考えるユーザーにとっては、果たしてこれ以上のものが必要あるのかと、改めて思った次第である。