前席も後席もとにかく広い!
機能装備欠点は「全車速対応でない」

 居住空間は、Aセグメントとして文句なしの広さだった。室内長2500mmは2列シートモデルとしては異例の長さで、後席を最も後ろにスライドさせたときの膝下空間は広大そのもの。助手席を適切なポジションにセットし、筆者が着座して膝先から助手席シートバックまでの距離を測ってみたところ、実に30cmものスペースがあった。足を組めるかどうかというレベルを完全に超越した広さである。

 後席を最後方にスライドさせたときの荷室の奥行きは床長ベースで53cm。その状態でも4人分の手荷物くらいなら十分収容可能だが、荷室を拡張したい場合は後席を前にスライドさせることで67cmまで拡張可能。その状態でも後席は着座するのに十分すぎるほどの余裕が残る。このフレキシビリティの高さは魅力である。

 コクピットは各種操作系が整然と並べられており使いやすい。助手席の座面下に大容量のボックスが設置されているのをはじめ、小物入れも豊富で実用上とても便利だった。

 弱点はダッシュボード中央部に置かれた計器類が少々遠く、見る時の視線移動量が多いことだが、バンディットハイブリッドSVにはヘッドアップディスプレイが装備されており、それがネガ要素にはならなかった。

 ADAS(先進運転支援システム)は前車追従クルーズコントロール、ステアリング介入ありの車線維持アシスト、夜間に歩行者を検出する衝突軽減ブレーキなど、一昔前に比べて格段に充実が図られている。

 ステアリングアシストは意外にナチュラルなフィールで違和感は小さかった。対人衝突軽減ブレーキほかの予防安全機能は試しようがないが、JNCAPテストでは夜間対人、ペダル踏み間違いについては満点を取っているので、とりあえず実用に足るとみていい。

 欠点は、有段式のシングル自動クラッチATであるためか、前車追従クルーズコントロールが停止までをカバーする全車速対応でないこと。CVTを使うマイルド版は全車速対応なので、何らかの工夫を凝らしてレベルをそろえてほしいところだ。