湘南新宿ライン「20年前のダイヤ改正」がもたらした、埼玉人への「2つの変化」とはE231系 東海道線・湘南新宿ライン Photo:PIXTA

宇都宮線、高崎線から池袋・新宿・渋谷を経由して東海道線、横須賀線に直通運転する「湘南新宿ライン」が大増発し、現在の形になった2004年10月16日のダイヤ改正から20年を迎えた。ダイヤ改正が埼玉にもたらした2つの変化とは。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

湘南新宿ラインの
ネーミングが秀逸なワケ

 埼玉県で生まれ育った筆者にとって、湘南新宿ラインは思い入れの深い列車だ。既に埼京線は大崎まで延伸していたが、事前に調べておかないと使いにくかったため、新宿、渋谷は心理的に遠かった。

 それが2004年10月16日のダイヤ改正で1日の運行本数は38往復から64往復に増発。大宮~大船間は日中、毎時4本の列車が設定されることになり、時刻表を見なくても最速達列車に乗れるようになった。あわせて最高速度が引き上げられ、大宮~新宿間も30分に短縮。新宿、渋谷方面が一気に身近になった。

 もう一つの縁は、大学生時代の2003年から2006年まで、JR大宮駅で駅員アルバイトをしており、湘南新宿ラインがもたらした変化を目の当たりにしたことだ。それまで宇都宮線、高崎線には池袋行き列車があり、朝ラッシュは毎時各3本、日中は毎時各1本が運行されていたが、新宿、渋谷方面は乗り換えが必要だった。

 次の池袋行きは何分か、新宿、渋谷に行くなら埼京線のほうが早いかなど、乗客に色々聞かれたが、湘南新宿ラインが常に最適解となったことで、移動のストレスは大きく減ったことだろう。