採用面接で重要な
第一印象としての顔

 続いて三つ目は「第一印象としての顔」です。採用面接においてはこれが非常に重要で、面接者はたいてい、出会った一瞬で相手の印象を持ちます。学生側も同様です。

 初対面の際、最初に飛び込んでくるビジュアルの中で、印象の大部分を占めるのが顔です。もちろん、力士のように大柄であったり、驚くほど長身の方であったりすれば体型も大切なパーソナル情報になり得ますが、その場合でも体型とセットで顔の印象が付いてくるはずです。

 ここで言う「顔」は、表情や発する声なども含めた雰囲気を含んでいることは言うまでもありません。実際に、私の取材では「採用する基準は第一印象」と言い切る採用責任者もいました。ただ後に述べる「コミュニケーション手段としての顔」のことを考えれば、少し割り切りすぎた発言であると感じました。

 面接を受けに来た就活生も「感じの良い人だな」とか「とっつきにくそうだな」などといった印象を面接者に対して持ちます。学生側も自身の進路を真剣に検討しているので、入社したい会社であるかどうかを、面接者の印象を通して測ろうとしています。

 面接する側だからといって、学生の第一印象をおろそかにはできません。そういう意味では、第一印象とは相互に差し出すものといっていいでしょう。