今日の面接うまくいった!と思ってもなかなか採用されない人の「顔」の共通点とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「生き方や感情は顔つきに表れる」という楠木新さん。著述家として多くの人を取材し、さまざまな「顔」に接してきた経験から、いつしか「顔の研究」がライフワークになったと言います。連載『豊かな人生を送る「いい顔」の作り方』第3回は、人々の「顔」が持つ役割・機能について、独自の分析を試みます。(著述家、元神戸松蔭女子学院大学教授 楠木 新)

コミュニケーションの場で
顔が果たす役割とは?

 大手生命保険会社で採用責任者を務めるなど、さまざまな形で面接の現場に携わってきた経験から、採用面接について多くの人が誤解をしている点があると感じます。それは、面接とはすなわちコンテストではなく、コミュニケーションの機会であるということです。

 言い換えれば、面接者は相手の能力を判定しようというよりも、同じ組織で働くに値する人物であるか、今後経験を積んで実力を伸ばし、自社の戦力として機能し得る人材であるかを、面接を通して推し量ろうとしています。

 そしてコミュニケーションにおいて何よりも重要な役割を果たすのが、表情を伴う「顔」なのです。

 そこでぜひ関心を持っていただきたいのは、顔が持つ役割です。ここでは面接の場のみならず、ビジネスシーンにおいて上手にコミュニケーションを取るための秘訣として、顔の役割を五つのポイントに分けてひもといてみましょう。

 採用面接の場を取り上げるのは、それまで全く知らない者同士(企業側と学生)が、企業は採用可否、学生は入社してもよいかどうか、という相手に対する一定の評価まで行うので、出会いのプロセスにおける顔の役割を検討するのに適しているからです。