mRNAワクチンの研究者は
ノーベル医学賞を受賞
さらに、AI(人工知能)の利用によって、開発が著しくスピードアップした。AIは、ウイルスの遺伝情報を分析し、ワクチンのターゲットとなるウイルスの部分を特定するのに使用された。
2023年のノーベル生理学・医学賞は、カリコー・カタリン(注/カリコーが姓で、カタリンがファーストネーム)とドリュー・ワイスマンによるmRNAワクチンの基礎研究に対して与えられた。
彼らの研究は、mRNAが免疫系によって攻撃されるのを防ぎ、安全で効果的なワクチンの開発を可能にする方法を提供した。この技術は、迅速なワクチン開発と大規模なパンデミックへの対応に大きく貢献した。
カリコーは、1955年のハンガリー生まれ。水道も冷蔵庫もテレビもない小さな家で育った。父親は精肉店経営者で、母親は簿記係だった。カリコーは科学に秀でており、ハンガリーの生物学コンテストで第3位を獲得した。セゲド大学で生物学を学び、1978年に学士号を、1982年に博士号を取得した。
当時のハンガリーは、ソ連の支配下にある共産主義国であり、科学研究の資金や機会が限られていた。