「マックジョブ」蔑称は真実か?

 アメリカ人の8人に1人が、マクドナルドで働いた経験があるという。両候補がマックアピールに熱を入れるのは、やはりアメリカを象徴する仕事だからではないか。

 実際のところ「マックジョブ」はどのような仕事なのか? 蔑称として使われることも多いが、単なる単純作業で、モチベーションが湧きにくい職務なのだろうか。

 米求人サイトZipRecruiterのデータによると、マクドナルドの従業員の時給は全国平均で13ドルから15ドルの範囲である。2023年の米労働統計局の報告によれば、連邦最低賃金が時給7.25ドルのペンシルベニア州では、ファーストフード労働者の平均時給は13.20ドルに達している。

 マクドナルドの仕事は最低賃金を大きく上回っており、「著しく低賃金」とまでは言い難い。

 ファストフードの仕事に対しては、批判的な研究が多い。だが、カナダの大学による研究『マクドナルドで働く』(2010年)では、これを肯定的に捉え、労働者にとって有益だとする文献も存在することが示されている。

 オーストラリアのマクドナルド店舗を対象に行われた調査(1000人のアルバイトと100人の管理職を対象)では、従業員が自分たちの仕事を単純作業とみなす傾向が強い一方、管理職は仕事をより前向きに評価していることが明らかになっている。

 この調査から、5つのポイントが浮かび上がる。