オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#7Photo:Bloomberg/gettyimages

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#7では、小売業224社のランキングをお届けする。6位にニトリホールディングス、4位に「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが入った。トップ3は?(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

「ユニクロ」売上高が初の3兆円突破
柳井家が4割握り、息子2人も取締役

 売上高が初の3兆円を突破――。「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングが10月10日に発表した2024年8月期の売上収益は、前期比12.2%増の3兆1038億円だった。純利益も過去最高を更新した。

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、強力なリーダーシップで、一代で同社をトップグローバル企業の一角に押し上げた。

 当然ながら、同社において柳井氏をはじめとする創業家の存在感は極めて大きい。柳井氏や親族らで株式の4割超を握り、18年からは柳井氏の息子である一海氏と康治氏の2人が取締役に就任している。日本を代表するオーナー企業といえる。

 創業家の在り方について、柳井氏は10日の決算会見で、「(息子2人には)柳井ファミリーの継承者ではなく、企業のガバナンスを担ってほしい」と語った。「公開企業でありつつも創業家が存在し、ファミリー企業の良さを併せ持ち、双方の良いところを発揮できるような経営をしたい」と強調している。

 ファーストリテイリングのように、小売業では強いオーナーシップを原動力に会社を急成長させてきた企業は少なくない。では、小売業界で最強のオーナー企業はどこか。

 ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、オーナー企業のうち小売業224社の業種別ランキングを一挙に公開する。4位のファーストリテイリングを抑えてトップ3に入った企業とは。