経営幹部層に特化したリクルーティングおよびアセスメントを行うラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパン・インク。世界4大エグゼクティブリクルーティング会社の日本支社代表としてこれまで多くの企業に優秀なリーダーを紹介してきた安田氏は、日本の国のリーダーですら海外から見ると存在感が薄いと言う。前回に続き、リーダーシップの定義を伺うことで、日本のビジネスパーソンが身につけるべきことは何かを紐解く。

考えるべきは、
「自分は何ができて、何をしたいのか」

やすだ・ゆうこ
一橋大学社会学部卒業、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経営学修士(MBA)。日本IBMにて、SEとして社内情報システムの構築を担当。その後、ブーズ・アレン・ハミルトンのニューヨーク本社、東京事務所においてテクノロジー企業を主対象としたコンサルティング活動を行う。1993年ラッセル・レイノルズ入社以降、すべてのテクノロジー関連プロジェクトに参加。インダストリー、ヘルスケア、消費財、マーケティング、プライベートエクイティ分野での経験も豊富。2004年より日本支社代表。

南 これから日本を牽引していく30代40代のビジネスパーソンに対して、安田さんは何を伝えたいですか?

安田 私の尊敬する経営者の言葉なのですが、「随所に主となれ」という言葉を贈りたいです。どの環境にいたとしても、自分に与えられたポジションで実績を出すことが大切だと思っています。

南 いい言葉ですね。

安田 30代の悩んでいる方とお会いすると、不思議とみなさん口を揃えて今の仕事が合わないとおっしゃるんです。だけどそれは自分の思い込みであることが多いんですよね。与えられた環境や仕事の中でどうすれば自分を活かせられるかを考えることが大切だと思います。

南 僕もそう思います。仕事や会社が合わない・違うと感じるなら、それを変えていくアクションを主体的に取るべきで、そうすれば解決することも多いですよね。

安田 はい。具体的には、どうすれば仕事を楽しめて会社に貢献できるか、周りに影響を与えられるかを考えることです。むやみな転職を繰り返すよりも、与えられた環境で何かを成し遂げた方が良い人生を送れるんじゃないかと思っています。

南 それでも転職したいと思ったときに考えるべきことは何だと思われますか?