「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
なにかあったときのために介護認定申請だけでもしておきたい
「歳なんだから、誰かの力を借りなきゃまずいでしょう? 介護認定申請をしないと、いざというときに困るよ」。介護認定申請をかたくなに拒否する親へのひと言です。
遠方に住んでいたり、子育てなどで忙しかったりすると、あなたも親のことが心配になりますよね。それなのに「大丈夫だから」「なんとかなるから」と、介護認定申請すら拒否されてしまうと「じゃあ、どうすればいいの!」という気持ちになるでしょう。
こんなときには「すぐに介護を受けるわけじゃない。保険として申請しておくだけ」と伝えるのがいいです。たとえば「お守りのつもりで介護認定申請をしておこうよ。持っていて損するわけでもないし」と伝えてみてください。実際にはどこかに行く必要すらありません。電話すれば自宅まで調査に来てくれます。
ポイントは「持っていて損はしない」という点です。「邪魔にならない+いざというときに役立つ保険のようなもの=介護認定申請」という理解が得られれば「じゃあ、受けておくかな」という気持ちになりやすいのです。
保険が嫌いな日本人はいません。介護が必要になりそうなのに、テコでも動かない親には、かなり効果のある鉄板フレーズです。正解は家庭や親子関係によって変わりますが、ぜひ一度試してみてください。