「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
老いた親から不要なものをプレゼントされて困る
「プレゼントなんだから、なにをあげてもいいでしょ」。これは頻繁に相談を受ける“あるある問題”です。親からプレゼントを受け取るが、そのほとんどが「不要なもの」なので、いつも処分に困ってしまうというわけです。
もらって困ったプレゼントは、巨大なぬいぐるみ、家の寸法を無視した家具、趣味に合わない食器、消費期限ギリギリの食品などさまざまです。たとえ、どんなに高価であっても、もらう側にとっては不要ということもあります。しかし、親の気持ちを考えると断りづらく本当に困ると思います。
このような相談を受けたとき、単刀直入に「現金でもらえるのが一番うれしい」と言うようにお伝えしています。たとえば「ありがとう。気持ちはうれしいけど『現金』か『必要なもの』を贈ってもらえるとうれしいな」といった具合です。
こんなことを言われると、親はしらけてしまうかもしれませんが、「今後、余分な消費をさせない」という目的を達成するための必要なコミュニケーションです。「幸せの押し付け」が大幅に減ると思います。
大切なのは「いらないものはいらない」と直言できるような関係性をつくっておくことです。なんでも言い合える関係になれば、返答に困ることは減るはずです。