「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#28は、鉄鋼11社の業種別ランキングをお届けする。8位に愛知製鋼、4位に東京鐵鋼が入った。トップ3は?(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)
愛知製鋼株を旧村上ファンドが保有
鉄鋼11社のオーナー企業ランキング
9月24日、旧村上ファンド系の投資会社などが、トヨタ自動車系の愛知製鋼の株式の約5%を取得したことが明らかになった。同社の株価純資産倍率(PBR)は0.3倍台と低迷。旧村上ファンド系による同社株の保有が判明してから、株価は上昇基調に転じている。
愛知製鋼の前身は1934年に豊田自動織機製作所(現豊田自動織機)に発足した製鋼部門。40年に豊田製鋼として独立、45年に現在の社名に変更した。つまり、トヨタ自動車に連なるオーナー企業なのだ。
では、鉄鋼業界で最強のオーナー企業とは。ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。
ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。
下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。
次ページでは、上場オーナー企業のうち鉄鋼11社の業種別ランキングを一挙に公開する。8位に愛知製鋼、4位に東京鐵鋼が入った。トップ3は?