オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#29Photo:JIJI

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#29は、ゴム製品10社の業種別ランキングをお届けする。4位には自動車部品を製造する西川ゴム工業、3位はコンドーム製造で国内シェアトップのオカモトがランクインした。果たして1位は?(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

自動車産業の影響を大きく受けるゴム業界
経営が安定しているオーナー企業は?

 自動車産業の影響を大きく受けるのが、ゴム製品業界だ。自動車用のタイヤのほか、ドアとボディーをつなぐシール材などの素材もゴムだ。

 アフターコロナの自動車輸出再開で2023年のゴム製品業界には追い風が吹いた。日本自動車タイヤ協会(JATMA)の発表によると、23年の新車用タイヤの製造本数は、四輪車合計で前年比14.5%増の3983万本だった。

 しかし、24年の販売本数は前年割れを見込んでいる。同協会によると、24年の新車用タイヤの販売本数は四輪車合計で前年比6%減の3725万本となる見通し。

 4位にランクインした広島県の西川ゴム工業は、1934年に西川文二が創業した西川護謨工業所が出発点だ。戦時中は軍用のスポンジゴムを製造していたが、45年の原爆投下で工場は全焼した。

 戦後に工場の一部を復旧し、49年に西川ゴム工業として法人組織となった。目下、アフターコロナで自動車の輸出が再開し、同社の2024年3月期の業績は上向いた。売上高は前年同期比20.1%増の1179億円で、営業利益は同8.9倍の65億円だった。

 では、ゴム製品で最強のオーナー企業はどこか。ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、オーナー企業のうちゴム製品10社の業種別ランキングを一挙に公開する。