オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#21Photo:PIXTA

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#21は、ガラス・土石製品26社の業種別ランキングをお届けする。6位にはコンクリート製品などを販売する三谷セキサンがランクインした。果たしてトップ5は?(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

ガラスメーカートップのAGCは赤字転落
経営が安定しているオーナー企業は?

 国内トップのガラスメーカーであるAGC(旧旭硝子)の業績が落ち込んでいる。

 同社が11月1日に発表した2024年12月期第3四半期決算では、売上高は前年同期比3.4%増の1兆5342億円だったが、営業利益は同1.6%減の940億円、最終損益は1064億円の赤字(前期は575億円の黒字)となった。

 同社が社名を旭硝子から、AGCに改めたのは18年のこと。社名変更の理由は、祖業である建築ガラスよりも化学品の営業利益が大きくなっていたことや、医薬品の製造などを主とするライフサイエンス分野への事業拡大を見込んでのことだった。だが、このライフサイエンス分野が足を引っ張っており、24年12月期第3四半期の決算では、ライフサイエンス分野で167億円の営業赤字を計上している。

 AGCは非オーナー企業だが、ガラス業界では複数のオーナー企業が存在する。ガラス業界でトップ10の日本山村硝子は山村家が、石塚硝子は石塚家が経営を担っている。両社とも今期の業績は前期を下回っている。

 では、ガラス・土石製品で最強のオーナー企業はどこか。ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、上場オーナー企業のうちガラス・土石製品26社の業種別ランキングを一挙に公開する。ガラス大手の日本山村硝子や石塚硝子は何位だったのか。