オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#26Photo:winhorse/gettyimages

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#26では、倉庫・運輸14社の業種別ランキングをお届けする。5位に日新、3位にトランコムが名を連ねた。果たして1位は?(ダイヤモンド編集部 澤 俊太郎)

物流の2024年問題が共通課題
最強のオーナー企業とは

 主力事業が陸運業と重なる部分が多い倉庫・運輸業。倉庫関連業務から輸送業務へと事業を広げてきた会社も少なくなく、業態が似通っているのだ。業界各社は物流の2024年問題への対応に迫られている。

 業界大手のトランコム(名古屋市)は9月にMBO(マネジメントバイアウト。経営陣による買収)を実施すると発表し、非上場化する。24年問題で業界が変化する中、株式非公開化で新たな事業戦略の構築やM&A、海外展開なども推進していくとしている。

 同社は創業者である武部純三氏が1955年に株式を譲り受けた愛知小型運輸を前身とし、59年に自動車運送取扱事業を目的とするナゴヤトランスポートセンターとして設立。89年6月に現在のトランコムに商号を変更。初代社長は武部氏の息子、宏氏が務めた。22年には創業家3代目の篤紀氏が社長に就任したが、翌年には退任して会長となり、現在は神野裕弘氏が社長を務めている。

 ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、倉庫・運輸14社のオーナー企業ランキングを一挙に公開する。トランコムは3位に入った。では1位は?