オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#25

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#25は、証券・商品先物15社の業種別ランキングをお届けする。12位に松井証券、2位に今村証券が名を連ねた。果たして1位は?(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

ネット証券のパイオニア松井証券は
創業100年を超えるご長寿オーナー企業

 今となっては当たり前となったインターネット証券だが、そのパイオニアは松井証券だ。今から20年以上もさかのぼる1998年、国内初のネット取引を導入したのである。

 実は松井証券は1918年、東京・日本橋で小さな地場証券として創業した超老舗である。松井証券が「業界の異端児」として注目を集めるようになったきっかけは、創業家出身で95年に社長に就任した松井道夫氏の改革である。

 外交営業の廃止や株式保護預かり料の無料化の導入など、次々と改革を断行。そして98年、国内初のネット取引導入に至った。その松井氏は2020年に社長を退き、現在は非創業家出身の和里田聰氏が経営のかじ取りを担う。松井家は、大株主として引き続き君臨している。

 では、証券・商品先物業界におけるオーナー企業ランキングで、松井証券は何位にランクインしたのか。

 ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、オーナー企業のうち証券・商品先物15社の業種別ランキングを一挙に公開する。松井証券は12位となった。