業界の最新動向や注目すべきキーワードを把握し、求める人材の特徴を知ることは、志望企業を絞り込むために大いに役に立つ。入社後のミスマッチを防ぐことにもつながるだろう。企業分析のプロたちの視点を取り入れて業界研究を充実させよう。業界の現況と展望を約150字でサクッと解説する「業界150字解説」全3回の(中)では通信、小売り、証券、保険の4業界を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部)
通信
携帯料金の値下げが進む中、通信各社はポイント経済の強化や、キャッシュレス決済サービスなどの新規事業を模索している。デジタル技術を活用し、顧客接点の拡大や新しいサービスの提供が求められている。
就活生は、AIの活用やデータ分析のスキルを磨いておきたい。変化に対応できる力を身に付けることが重要だ。
(リクルートエージェント IT通信業界担当コンサルタント 丹野俊彦氏への取材を基に構成)
小売り
ディスカウントストアが堅調な一方、百貨店の高額品も依然として堅調で、消費の二極化が続いている。そのため、多様化する消費者のニーズを取り込むために、アプリ等を活用した顧客分析も重要視されている。
入社後はデータ分析の知識を身に付けることや、効率的なマーケティングへの知見を深めることが求められる。
(野村證券アナリスト 山岡久紘氏への取材を基に構成)
証券
金利が上昇し、資産運用や投資業務への需要が増加している。岸田政権時代の資産運用立国政策により、プライベートエクイティーファンドの活用や手数料引き下げが進み、証券業界は変革のさなかに。
入社後には金融商品や資産運用の知識を身に付け、多様化に対応する力が求められる。学生のうちから経済ニュースに触れておくことが重要だ。
(ピクテ・ジャパン 大槻奈那氏への取材を基に構成)
保険
日本における死亡保障不足が課題で、世帯主が加入している普通死亡保険金額は1997年と比べても半減している。今後はデジタルを通じた顧客接点の拡大、ならびに顧客特性に応じた情報提供・商品提案が必要となる。
社会保障や金融商品全般に対する知識は、幅広い部門で必要とされる。海外進出も盛んで、語学力も武器になるだろう。
(ニッセイ基礎研究所保険研究部上席研究員 有村寛氏への取材を基に構成)