業界の最新動向や注目すべきキーワードを把握し、求める人材の特徴を知ることは、志望企業を絞り込むために大いに役に立つ。入社後のミスマッチを防ぐことにもつながるだろう。企業分析のプロたちの視点を取り入れて業界研究を充実させよう。業界の現況と展望を約150字でサクッと解説する「業界150字解説」全3回の(上)ではコンサル、医薬品、航空、建設の4業界を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部)
コンサル
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴い、戦略からIT実行支援まで幅広い役割が求められている。これまで戦略に強みを持つファームはデジタルへ、ITが強みのファームは戦略へと、業務を拡大させている。
新卒採用が拡大する中、就活生は、インターンシップで実践的な経験を積みつつ、ITスキルやビジネス全体を俯瞰する力を磨いておくといいだろう。
(リクルート HRエージェントDivision 神田拓郎氏への取材を基に構成)
医薬品
特許切れ後のジェネリック増加が収益を圧迫するものの、日本の医薬品市場は2023年に11.2兆円超に達し、過去最高を更新した。
AI(人工知能)やデジタル技術を活用した新薬開発が活発化していて、今後はバイオとデジタルの知見を融合できる人が活躍していくだろう。就活生はイノベーションを重視する企業を選ぶことが重要だ。
(大和証券アナリスト 橋口和明氏への取材を基に構成)
航空
訪日外国人需要が24年には3500万人に達する見込みとなっている。航空業界は、新規路線や国際線の拡充で業界全体の成長が期待される。
総合職は海外出張や駐在の機会が増える。グランドスタッフは国際線対応で語学のスキルや異文化理解が求められるため、グローバルなキャリアを積める機会が豊富といえる。
(航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏への取材を基に構成)
建設
DXによる省人化が進むも、人手不足はまだ厳しい。施工管理の求人が16年から23年にかけて5倍に増加。特に地場の建設業者は採用に積極的で、若手を育成する動きも加速。
入社後は、2級、1級建築士などの資格取得や、BIM(コンピューター上に作成した3次元の建物モデルにコストや管理情報などのデータを追加したデータベース)など最新技術の習得、プロジェクトのマネジメント経験を積むことで、キャリアアップにつながる。
(リクルート 建設不動産領域専任シニアコンサルタント 平野竜太郎氏、同 建設不動産業界専任エキスパートキャリアアドバイザー 箕輪真人氏への取材を基に構成)