25年の政治・経済・相場予想は専門家泣かせ、米国発「4つのまさか」の波乱に備えよPhoto:PIXTA

2025年を迎え、専門家が年間予想を競い合う。ところが、25年ほど専門家泣かせの年はない。米国の政治、経済、相場の先行きに目線の定めようがなく、強弱一方向に傾けた強い予想は掲げにくい。そうかといって、それが安穏な情勢判断を意味しないことは明らかだ。25年の「まさか」を4テーマから検討し、目線が定まらない事情を浮かび上がらせる。特定の見方に肩入れすべき状況ではなく、波乱に備える柔軟性こそが重要な1年と考える。(楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー TTR代表 田中泰輔)

目線の定めようがない
米国の政治、経済、相場

 2025年を迎え、金融市場の専門家たちが年間予想を競い合っている。ところが、25年ほど専門家泣かせの年はない。米国の政治、経済、相場の先行きに目線の定めようがないのである。

 それだけに、強弱一方向に傾けた強い予想は掲げにくい。そうかといって、それが安穏な情勢判断を意味しないことは明らかだ。

 次ページでは、25年の「まさか」を四つのテーマで検討する。目線が定まらない事情をきちんと踏まえて、情勢変化に対する柔軟性を維持することこそが重要な1年と考えている。