銅相場は最高値更新で初の「1万3000ドル」突破、供給障害とドル安が追い風にPhoto:PIXTA

銅相場が供給懸念とドル安の追い風を受けて急騰し、LME(ロンドン金属取引所)3カ月物は史上最高値を更新しながら1トン1万3000ドルを突破した。グラスベルグ鉱山の事故・ストなど供給障害が相次ぐ一方、中国政策期待も買い材料に。9月下旬以降の変動要因を整理し、今後の焦点を探る。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

供給障害とドル安が主導
9月下旬に銅相場が急伸

 銅相場が上昇を続けている。自動車、エレクトロニクス製品、建築などに使われる銅の国際指標とされるLME(ロンドン金属取引所)の3カ月物が史上最高値の更新を続け、1トン当たり1万3000ドルを突破した。

 以下では、銅相場が1万ドルを上回る推移となった2025年9月下旬以降の主な変動材料を振り返ってみる。

 9月24日は、産銅大手のフリーポート・マクモランがインドネシアのグラスベルグ鉱山に不可抗力(編集部注:force majeure地震、洪水、ストライキ、法令の変更など、当事者の合理的な支配を超える事象が発生し、契約上の義務の履行が不可能あるいは著しく困難になった場合に、その責任を免れるための法的な措置)を宣言したことを受けて銅は3%以上の急騰となり、24年5月以来の高値を付けた。

 グラスベルグ鉱山の段階的な生産の再開は26年前半になる可能性があると発表された。世界第2位のグラスベルグ鉱山は世界の銅精鉱の3%を生産し、25年9月から26年末まで生産が停止すれば59.1万トンの生産が失われるとみられている。

 29日は、グラスベルグ鉱山の供給懸念に加えて、8月の中国工業利益が増加に転じたことや、米政府機関閉鎖懸念によるドル安も押し上げ材料になった。

 30日は、中国の国慶節休暇(10月1日~8日)を控えていることやこれまでの上昇相場の反動で、利益確定売りが優勢となり、銅相場は下落した。米政府機関の一部閉鎖が濃厚なことも弱気材料だった。

 次ページでは、25年10月以降、現在までの銅相場の行方を検証し、今後の先行きを予測してみる。