エポックメイキングだったのは、21年に新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープンしたことでしょう。ここには、「スーパーマリオブラザーズ」に続いて、12月に「ドンキーコング」のアトラクションが新設されたばかり。人気に拍車がかかっています。
これらIPの真の強みは何か。それは、アトラクションだけでなく、多種多様なグッズ展開や、パーク内の飲食物もコラボレーションすることで、客単価アップにつながることです。
パークにはキャパシティがあり、収容人数には限界があります。集客が上限に近づいたら、客単価を高めるしか収益を伸ばす方法はありません。単なる遊園地と違って、IPを生かしたテーマパークなら、それが可能なのです。
USJで大ヒット中のスーパー・ニンテンドー・ワールドは、本国ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド(カリフォルニア州)に“逆輸入”されました(23年)。さらに今後はユニバーサル・スタジオ・シンガポールや、25年5月に新規開業するユニバーサル・エピック・ユニバース(フロリダ州)にも導入予定です。
テーマパーク業界はディズニーとユニバーサルが2強です。この2強の今後の動向については、『ディズニーシーとUSJが逆転の衝撃!テーマパーク世界ランキング【トップ20完全版】』に詳しく書きましたので、併せて読んでください。
サンリオやスタジオジブリも
外国人客から大注目
他の日本発IPのテーマパークも活況です。まずは、サンリオ・ピューロランド。外国人観光客(インバウンド)が急増しており、年間来場者数約138万人のうち約2割をインバウンドが占めるほどになっています(24年3月期決算時点)。スタッフの英会話の練習を強化するなど、多言語対応に励んでいるそうです。
ハローキティは24年に50周年を迎え、今後ますます力を入れる方針とのこと。サンリオもキャラクターグッズが売れるIPです。ピューロランドの入場料だけでなく、グッズ販売やSNS映えするフードの売り上げが期待できます。
スタジオジブリのテーマパーク、「ジブリパーク」も大注目でしょう。パーク内では、不朽の名作『となりのトトロ』の「サツキとメイの家」が再現されています。障子と畳の部屋にちゃぶ台や茶だんす、井戸水を汲み上げる手動ポンプ、米を炊くかまど、薪をくべて沸かす風呂……レトロな仕掛けが満載です。
大正時代が舞台の『鬼滅の刃』の和風の家や街並みが人気なように、「大正ロマン」や「昭和レトロ」は日本人、外国人ともに人気があります。ジブリパークは愛知県の郊外にあるのですが、もっと宣伝すれば、インバウンド客の大幅増加が期待できるでしょう。