麺職人「二つ星」はたった9人
技術や知識、経験に基づき、麺職人は「一つ星」から「四つ星」までの階級に分けられ、筆記と実技試験を通じて厳格に認定される。試験は難易度が高く、「一つ星」でさえ合格率が4割以下という狭き門である。
麺職人は通常の白い制服ではなく、襟や袖、帽子が紺色の特別な制服を着用する。制服は職人としての誇りを示し、SNSで「青い制服の人」として注目を集めている。
これにより、麺職人がいる店舗を訪れる顧客が増加し、店舗ごとにファンが形成されている。制度の目的は、単に「安定したおいしさ」を提供するだけでなく、「究極の一杯」を追求し、感動を届けることにある。
称号取得後も研鑽を怠らず、技術の向上が求められるため、麺職人たちは日々努力を続けている。全国に約1700人の麺職人がいるが、「二つ星」を取得しているのはわずか9人という狭き門である。
品質のバラツキが顧客満足度を失うことにつながり、ひいては高めの価格設定に対する不満を引き起こしていると考えれば、丸亀製麺の戦略の最後のワンピースを埋めるのが、この麺職人制度ということになる。
丸亀製麺は「すべての店に麺職人がいる」ことを売り文句にしているが、時には麺職人が不在の日や時間帯もある。丸亀製麺に行って、厨房に青い制服の人がいたら大正解というわけである。