その結果、酒石酸が3〜12μg/mL(軽度の摂取量、月にワイングラス3〜12杯)の群と12〜35μg/mL(中等度の摂取量、月に12〜35杯)の群では<1μg/mLの群に比べて、CVDリスクがそれぞれ38%と50%有意に低いことが明らかになった。一方、対象者の自己報告に基づくワインの摂取量とCVDリスクとの関連は有意ではなかった。

 Estruch氏は、「ワインには、他の研究で観察されたものよりもはるかに大きな保護効果のあることが分かった。50%というリスク削減は、スタチンなどの一部の薬剤で達成できる効果よりもはるかに高い」と欧州心臓学会(ESC)のニュースリリースの中で述べている。

ワイン摂取の予防効果は
35〜40歳ごろから認められる

 ただしEstruch氏は、「本試験の対象者はスペインに住む心疾患リスクが高い高齢者であるため、研究結果は他の国の人には当てはまらない可能性がある」と指摘している。また、同氏は、「もう一つの重要な問題は、適度なワイン摂取が何歳から『好ましい』と考えられるかということだ。最近の研究によると、ワイン摂取の予防効果は35〜40歳ごろから認められることが示されている」と述べている。

 さらに、「女性の適度な摂取量は男性の半分程度とし、食事と一緒に摂取する必要があることも留意すべき重要な点だ」と付け加えている。

 この論文の付随論評を執筆したIRCCS Neuromed(イタリア)疫学・予防部門のGiovanni de Gaetano氏は、この研究結果は、ワイン摂取に関する公衆衛生上の勧告に「広範囲にわたる」影響を及ぼす可能性があると話す。

 同氏は、「尿中の酒石酸量などの客観的バイオマーカーの使用は、アルコール研究における重要な方法論上の進歩を表している。これは、ワインの摂取量に関するより正確で信頼のおける測定法であり、飲酒が健康に与える影響に関する進行中の議論の一部を解決するのに役立つ可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2024年12月18日)

https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/with-correct-measurements-wine-really-may-protect-heart

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