最大規模のサポーター「ウルトラオブリ」が
監督人事再考を求める緊急声明

 直後に福岡のサポーター団体のなかで最大規模を誇る「ウルトラオブリ」が、公式X(旧ツイッター)を更新。福岡に対して「現在報道されている監督人事には疑問を抱かざるをえません」と異例ともいえる抗議を展開しながら、監督人事の再考を求める緊急声明を発表した。

「アビスパ福岡のスローガンは『感動と勝ちにこだわる』であり、基本理念には『子ども達に夢と感動を 地域に誇りと活力を』といった文言があります。これからもクラブの根幹である理念を大事にし、アビスパ福岡を応援する全てのステークホルダーが胸を張って後押しができるクラブであって欲しいと切に願います」

 具体的には記されていないものの、金氏の監督就任に異を唱える理由が、J1のサガン鳥栖の監督時代に認定された、金氏による数々のパワーハラスメント行為にあったのは明白だった。

 金氏は2021年夏、練習中に選手を足払いで倒したとして、3試合の指揮資格停止処分を受けた。もっとも、このときは鳥栖が選定した第三者委員会による調査で、追加処分は不要と結論づけられた。

 しかし、復帰後の21年8月下旬に、金氏が暴力や暴言などのパワハラ行為に恒常的に及んでいるとした匿名の告発文書が日本サッカー協会(JFA)に届いた。これを受けて、Jリーグは4人の弁護士による調査チームを結成。鳥栖関係者90人に対するヒアリング調査を、延べ100回にわたって実施した。

 2021シーズンの鳥栖は7位と躍進したものの、金氏は調査が続いていた同年の12月末に突如として監督を退任。直後に調査チームは、金氏による選手やスタッフへのさまざまな暴力や暴言が常態化していたと結論づけた。同チームが公表した「調査報告書」には、当時の生々しい実態が記されていた。