業界の最新動向や注目すべきキーワードを把握し、求める人材の特徴を知ることは、志望企業を絞り込むために大いに役に立つ。入社後のミスマッチを防ぐことにもつながるだろう。企業分析のプロたちの視点を取り入れて業界研究を充実させよう。鉄道、物流業界の現況と展望を約200字でサクッと解説する。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部)
鉄道業界
訪日外国人観光客の増加により、鉄道事業の収入増加が期待される。ただ、リモートワークの普及で定期利用者が減る中、観光客だけでは持続可能な収益確保は難しい。
そのため、鉄道会社は新たな収益源を模索し、事業の構造改革を進めている。ICカード(SuicaやICOCA)のデジタル化は進展しているが、競争は激化しているため、独自の経済圏を形成することが重要だ。
人材面では、かねて運行管理や接客スキルが重視されてきたが、近年はデジタルスキルに明るい人材も積極的に採用している。
(鉄道コンサルタント 至道薫氏への取材を基に構成)
物流業界
時間外労働の規制強化に伴うドライバー不足によりモノが運べなくなる「2024年問題」に直面している。物流を意識した経営が必要であり、荷主企業には自ら物流企業と連携して物流の効率化に取り組むことが求められている。
この取り組みを推進するためにもデジタル化や自動運転といった新技術の導入、活用が不可避となっている。若手社員には、データ分析能力やAI(人工知能)を活用した物流の効率化などに関するスキルや、異業種との共同輸送のような柔軟な発想が期待される。
(東京海洋大学 学術研究院流通情報工学部門教授 黒川久幸氏への取材を基に構成)