エスカレーター校 クライシス#14Photo:PIXTA

福岡の西南学院と名古屋の南山学園は、どちらもエリアトップのエスカレーター校だ。少子化の加速で学校淘汰が進む時代に入り経営力が一層問われる中、この2学校法人を経営面から比較すると「稼ぐ力」に大きな差がある。地元私立トップ大学を擁する双方で、なぜ差が生じるのか。特集『エスカレーター校 クライシス』(全15回予定)の#14では、西南学院と南山学園について、入試偏差値など表に広く出回る情報からは分からない「裏・成績表」を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

西南学院と南山学園の間で
「稼ぐ力」に差

 福岡の西南学院と名古屋の南山学園は、エリアトップのエスカレーター校だ。どちらも系列の大学は、地元国公立大学受験者にとっての併願先。首都圏の「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)や関西の「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)に相当する難関私立大学群が存在しない九州、中部それぞれのエリアで、国公立大に落ちたら進学する地元私立トップ大学というポジションを築いている。

 入試偏差値、志願者数といった表に広く出回る情報には、地元進学ルートにおけるトップ私大としての強さが双方表れている。ただ、エスカレーター校を運営する学校法人としての強さとなると、話しは変わり、双方の「稼ぐ力」には、実は差がある。少子化が加速して学校淘汰が進む時代に入り、この差に、より目を向ける必要がある。

 次ページでは、西南学院と南山学園について、ダイヤモンド編集部が独自に作成した「裏・成績表」を大公開する。偏差値など表の情報からは分からない六つの指標で評価したもので、2学校法人の稼ぐ力の差が浮き彫りになっている。