エスカレーター校 クライシス#6Photo:PIXTA

関西中堅私立の大和大学は「東の早慶、西の大和」を目指すと公言し、その大言壮語が批判の的にもなっている。しかし、こと財務における利益を生む力では「早慶」(早稲田大学、慶應義塾大学)を上回り、60学校法人でランキングするとトップ。特集『エスカレーター校 クライシス』(全15回予定)の#6では、エスカレーター校を運営する学校法人について、企業でいう売上高経常利益率に相当する「経常収支差額比率」のベストランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

60学校法人の中で
断トツの“経常利益率”

 かつて近畿大学が「早慶近」を掲げて話題になったが、最近では新興の大和大学が大胆な宣伝文句で「東の早慶、西の大和」を目指すと公言している。この大言壮語、大和大学を運営しているのが学校法人西大和学園であるが故、荒唐無稽なものと片付けられない不気味さがある。

 この学校法人が1980年代後半に開校した西大和学園高等学校および同中学校は、東京大学や京都大学の合格者数で全国トップクラスを誇る超難関進学校に成り上がった。2014年に開校した大和大は今のところ、難関大学に至っていない。しかし、財務面で実は、関西の難関私立大学群「関関同立」(関西大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学」よりも、東の最難関私立大学群「早慶」(早稲田大学、慶應義塾大学)よりも、稼ぐ力が勝っている。

 ダイヤモンド編集部では一貫教育を施すエスカレーター校について、企業でいう売上高経常利益率に相当する「経常収支差額比率」のランキングを作成した。名門校を中心に60学校法人を対象にしたところ、断トツだったのが西大和学園だ。

 目下、名門校でも少子化で学生・生徒が集まらず、赤字で苦しんでいる(本特集#5『稼げないエスカレーター校ランキング!女子大御三家が4位に…黒字のライバルとの決定的違いとは【経常収支差額比率ワースト30】』参照)。そんな中、新興校がなぜトップの座を獲得できたのか。次ページでは、稼げる順に並べたランキングのベスト30位までを掲載するとともに、西大和学園が他校よりも利益を生み出せる構造を明らかにした。