米テック大手が25年は「43兆円」投じるAIデータセンター、半導体の次に来る有望業種を徹底検証Photo:PIXTA

2025年もAI関連の投資の増勢は続く。ただ、最も付加価値を稼ぐ企業群は現在の半導体から移っていくだろう。その移っていく先はどこか。サイクルの動きを分析しながら新たな有望業種、企業群を検証する。(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント ジャパン・エクイティ ストラテジスト 小林千紗)

米大手テック企業は2025年も
データセンターへの投資も緩めない

 AI(人工知能)関連株といえば、現時点では半導体もしくは米大手テクノロジー銘柄へ投資資金が集中している。

 AIはテクノロジーサイクルでいえばまだ初期段階にあたり、AIのインフラを構築するそれらがコア銘柄であることはしばらく変わらないだろう(図表1参照)。

 米大手テクノロジー企業は2025年もAIデータセンターへの投資を緩める気配はない。直近発表された米大手テクノロジー企業の10~12月期決算においてもその姿勢が明らかとなった。

 彼らのAIデータセンターへの投資額は、24年に51%増と急拡大したが、25年も21%増加し2800億ドル(約43兆円)に達すると我々は予想している。日本企業全体の24年の設備投資額が約100兆円であることと比較すると、たった数社で日本の2分の1に匹敵する規模の投資を実施し、世界のAIデータセンター関連需要をけん引していることがわかる。

 我々は、AIバリューチェーンの中において、価値の高まる領域は時間とともに変化してくるだろうと想定しているが(図表1のサイクル初期から中期・後期へシフト)、その時間の変化が早まる可能性が出てきた。

 次ページでは、新たに付加価値を高める業種、企業群はどこかを検証する。