39歳までは専業主婦
夫が病に倒れて働くことに
まず私自身のことからお話ししましょう。
私の初就職は2005年、39歳の時。短大を卒業してすぐに結婚し、それまで専業主婦だったのですが、夫が病に倒れたため、生活のために働きに出なければならなかったのです。知人のお母様が経営されていたSHIBUYA109のアパレルショップで「雇われ店長」という形で就職しました。
初就職ですから当然アパレル分野も未経験なのですが、無我夢中で日々の業務に取り組み、5年で年商は2倍になったのです。その後、経営方針の違いから退職せざるを得なくなりましたが、次に自分の力で新橋に居酒屋を開業すると、こちらも2店舗目を出すほどの繁盛店になりました。
そして常連客だったレンブラントホールディングスの専務の方から料理の腕を見込まれ、「これから弊社でドムドムハンバーガーを運営するのですが、メニュー開発のアイデアを提供していただけませんか」と誘われて、今度は50歳の時にドムドムハンバーガーのメニュー開発顧問に。
「手作り厚焼きたまごバーガー」をヒットさせ、51歳で同社に正式に入社し、それから9カ月で代表取締役社長に就任しました。2018年のことです。社長就任後、ドムドムの業績は回復しました。
![ドムドムハンバーガーの「手作り厚焼きたまごバーガー」](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/b/b/450/img_bb9332a3752c77a21c628adf323f297e161102.jpg)
飲食業は未経験で、資格もない…
どうすれば融資を受けられるのか
こういった経歴を申し上げると、人によっては私が経営にたけていたと感じられるかもしれません。
しかし、新橋で居酒屋を起業するとき、就業経験は109のアパレルショップしかなく、資格も何も持っていませんでした。当時、夫は闘病中で、もちろん資金もありません。開店資金1200万円を準備するため、日本政策金融公庫などに融資のお願いをしました。
ですがそのときに飲食業未経験の私が、ただお願いをするだけでは融資は受けられないでしょう。
考え続けていると
次々に不安が生まれる
私はどうしたら相手が納得できるのかを考え、1日の平均売上金額と借金返済にかかる年数の想定はもちろん、お店で提供するレシピまでかなり詳細に考えて交渉したのです。
努力のかいあって無事に融資を受けられてからも、実際に開店するまでにお店を成功させるためにはどうすればいいか、一つひとつ想像し、思案しました。
例えば私は家庭料理が得意でしたから、居酒屋でよく出てくる「卵焼き」も上手に作れました。でもそれは、「お金を払ってまで食べたい卵焼き」なのかどうか。また、私だけでなくスタッフが作っても同じクオリティーを提供できるのか。
いろいろなことを考え続けていると、次々に不安が生まれます。その不安をつぶし、“大丈夫”という安心に塗り替えていくための行動を選択してきました。その結果、1日の平均売り上げは当初の想定の2倍になり、繁盛店になったのです。
それは開業前に“どれだけ準備をしていたか”が結果として現れたのだと思います。