
PBRが低く割安な傾向にあるのが、不動産含み益を多く抱える不動産リッチ企業だ。実は、不動産含み益を反映した修正PBRを算出すると、見た目のPBRよりも割安であることが分かる。特集『狙え!不動産リッチ企業』の#15では、輸送用機器・ゴム業界の22社を対象に、不動産含み益を反映した修正PBRが低い上場企業ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
輸送用機器・ゴム業界の22社をランキング
修正PBRで分かった“格安銘柄”は?
PBR(株価純資産倍率)は、投資の際に割安度を測る指標として用いられる。PBRが低いほど、分母の純資産に対して分子の株価が低く評価されていることを示し、一般的に割安と判断される。
PBRが低く割安に放置されがちなのが、不動産含み益(賃貸等不動産の時価と簿価の差額)を多く抱える不動産リッチ企業だ。不動産含み益のある企業は、不動産含み益のない企業と比較してPBRやROE(自己資本利益率)が低い傾向にある(本特集#3『不動産含み益を反映した「修正PBR」が低い“割安”上場企業ランキング!2位にフジ・メディア・HD、1位は?』参照)。
また、不動産リッチ企業は見た目のPBR以上に割安とみるべきだろう。PBRの算出過程において、不動産含み益は反映されないからだ。足元では海外投資家の注目が賃貸等不動産に集まる中、不動産含み益を反映した修正PBRのチェックは不可欠だ。
そこで、岡三証券の内山大輔シニアストラテジストの計算式に沿って、実効税率30%課税後の不動産含み益を反映した修正PBRを算出。本稿では、輸送用機器・ゴム業界の修正PBRが低い上場企業ランキングを作成した。
輸送用機器には自動車、航空機、鉄道車両など、ヒト・モノを運送する乗り物を製造する企業が、ゴム業界にはホースやチューブなど工業製品を製造する企業が含まれる。
ランキング結果を見ると、22社中ほとんどの企業が修正PBR1倍割れであり、そのうち10社の企業は0.5倍にも満たない割安業界であることが判明。上位には、ホンダとの経営統合を模索していた日産自動車などもランクインした。
では、輸送用機器・ゴム業界の22社の中で、修正PBRが低い割安な不動産リッチ企業はどこか。次ページで一挙に公開する。