
定年延長などで65歳まで同じ会社で働き続けるという人が増えてきた。そうした中、「65歳になる前に辞めたほうがおトク」という話を聞いたことがある人もいるかもしれない。どういうことなのか、解説しよう。(社会保険労務士 佐藤敦規)
65歳になる前に
会社を辞めるのがおトクって本当?
以前は「60歳で定年退職」が当たり前でしたが、状況が変わりつつあります。
男女別の就業状況を見ると、男性の場合は60~64歳で84.4%、65~69歳で61.6%となっており、65歳を過ぎても多くの人が就業しています。女性の場合も60~64歳で63.8%、65~69歳で43.1%と半数近くの人が働いています(令和6年版「高齢社会白書」)。
65歳以降も働くことが珍しくない昨今、このような話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
それは、「失業手当が貰えるので、65歳の誕生日を迎える前に会社を辞めた方がいい」というものです。
再雇用や定年延長などの制度を設けていても、65歳までとしている会社が大半です。65歳過ぎても働こうとする人は、転職活動をしなければなりません。
そうなると、失業手当を貰えるかどうかは重要な問題です。今回は、「65歳の誕生日を迎える前に退職するのがおトク」説が本当なのか、制度の詳細を解説しながら検証してみましょう。