1位は警備会社のトスネット
平均年収は240.4万円
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを基に、「年収が低い会社ランキング2024【北海道・東北地方】」を作成した。対象は北海道・東北地方(北海道と青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県)に本社を置く上場企業(本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ)。単体の従業員数が20人未満の会社は除外している。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。
早速、ランキングを見ていこう。
年収が低い会社ランキングで1位となったのは、宮城県に本社を置く警備事業会社のトスネット。交通誘導や施設、列車見張り警備事業を手掛けている。
平均年収は240.4万円と、同様の趣旨で行った23年版ランキングの268.1万円から30万円近くも減り、1位は変わらずという結果になった。
2位の倉元製作所は
「継続企業の前提に重要な疑義」
2位は、液晶用のガラス基板などの加工を手掛けている倉元製作所で、平均年収は315.9万円。23年版ランキングでは306.3万円だったので10万円近く増えたものの、順位は変わらず2位だった。
倉元製作所は14年12月期から赤字が続き、18年12月期に債務超過に陥った。19年12月期には私的整理の一種である事業再生ADRの利用を申請し、受理された。20年12月期に金融機関などの支援が入って債務超過を解消し、経営再建に取り組んでいる。
本ランキングの対象となる23年12月期の決算業績は、売上高が7億400万円(前期比33.4%減)、営業損益は4億700万円の赤字、経常損益は3億9900万円の赤字、当期純損益は5億5500万円の赤字と非常に厳しいものだった。同社によると、当初の再建計画通りには業績回復は進んでおらず、「資金繰りに懸念も生じ、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在」と報告している。
なお、2月14日に発表された24年12月期の決算では、売上高が15億6700万円、営業利益が9700万円、経常利益3200万円、当期純利益8800万円の増収増益に反転した。ただし、再生フェーズから再成長フェーズへの転換に向けた資金調達にめどが付くまで、引き続き事業再生計画の実施途上にあるという。決算書にも「継続企業の前提に関する重要な疑義」の記載は残った。