「ひとり暮らし、年収200万円未満」
幸せを感じる人は何が違う?
家でゆっくりするならひとり暮らしよりも配偶者がいたほうがいいのでしょうか。
実は、一概に既婚者のほうが幸福度が高いとは言えないようです。最近では、おひとり様と既婚者では、そんなに差は見られなくなっています。ハルメク「幸福に関する意識と実態調査2024」によると、配偶者の有無では、幸福度にはほとんど差がみられませんでした。
配偶者がいる場合でも、配偶者を大切に思い、かつ、配偶者から大切に思われていると感じている人だけが幸福度が高くなっていますが、片方の人に育児、介護、家事の負担が偏っていると、幸福だとは言い切れないと感じている人も多々います。夫が家事を分担してくれるなど、夫婦の共同行動は幸福度を上げることもわかっています。
注目なのは「配偶者なし」もしくは「世帯年収200万円未満」でも、趣味などが4個以上ある人は、幸福度の平均は全体平均と変わらないことです。
従って、配偶者がいなくても年収が低くても「趣味・活動」が多ければ幸福度を上げられることになります。熱心に取り組んでいる趣味・活動の数が4つ以上だと幸福度の平均が全体を上回っているので、今から生涯マイペースでできる趣味を増やしたり、ボランティア活動に参加しておくのもいいでしょう。
配偶者や家族がいる場合、どんな接し方をしているかによっても幸福度は変わります。
例えば、孫や子供にプレゼントを贈ることを生きがいにしている人がいますが、プレゼント・贈与のための支出では、50代前半は約5600円なのに、徐々に増えて70代後半は2倍近くに上がっています 。人へのプレゼント、奉仕は、自己肯定感につながります。
さらに、夫婦で支出の話をしたり、ペアローンや節約などお金の話を気兼ねなくしたりすることです幸福度が高いという研究結果も出ています。さらに言えば、夫が家計簿をつけて家計の管理をすると夫婦の幸福度が上がるという調査結果もあります。夫が管理すれば妻がズボラになるのではなく、夫が妻に任せっきりにせず、お互いにさらけ出してなんでも話せる仲になりやすいといった理由もあるでしょう。
ある調査では離婚原因の一つである価値観の違いにおいて、「金銭感覚が合う」かどうかを尋ねたところ、幸福度が高い夫婦では41%で、幸福度が低い夫婦では10%でした 。金銭感覚が合うと、感覚的にハッピーになるのでしょう。
配偶者がいないと、こういったお金の話ができる人が少なくなります。特に日本人はお金の話をしたがりません。ファイナンシャル・プランナー(FP)をはじめ、昔からの信頼できる人にはあえて話してみることで、幸福度が上がることにつながるのかもしれません。