クシム旧経営陣の責任追及へ、捜査当局も注視する異例の「政権交代」が臨時株主総会で可決Photo by Takeshi Shigeishi

東京証券取引所スタンダード市場に上場するクシムの臨時株主総会が4月30日に都内であり、新たな取締役選任などを求める株主提案が全て可決された。取締役の大半が入れ替わるという、上場企業で異例の事態が起き、今後は旧経営陣に対する刑事責任の追及に焦点が移る。特集『株主総会2025』で、詳細をお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

新たに取締役4人を選任
焦点は旧経営陣の責任追及へ

 この日の臨時株主総会は、元取締役の田原弘貴氏ら株主が請求し、東京地方裁判所の許可決定を受けて招集された。東京地裁が4月1日付で第三者の弁護士ら仮取締役を選任していたため、経営陣不在の異例の開催となった。

 その結果、田原氏ら4人の取締役選任を求める議案などが賛成多数で可決された。だが上場廃止の危機にあるクシムは、ある事情から「空箱会社」となっており、再建は容易ではない。

 そして証券取引等監視委員会や捜査当局も注視する、旧経営陣の責任追及も本格化する。一体クシムで何が起きているのか。次ページで田原氏の総会直後の独占インタビューを含めて明らかにする。