動力性能・エンジン質感
日産&三菱、ホンダと比べると?
動力性能は、軽乗用車としては申し分なし。GPS計測による実速度0-80km/h加速タイム(変速機はDレンジ、エアコンOFF)は8.7秒。車両重量が840kgと、ダイハツのスーパーハイトワゴン「ムーヴカスタム」より1割ほど軽いとあって、アクセルペダルを踏んだときの応答性や加速の軽やかさはずっと上という印象だった。
加速だけでなく高速クルーズも楽。新東名120km/h区間ではハイスピードクルーズを行ってみたが、振る舞いは悠然としたものだった。メーター読み120km/hを維持するエンジン回転数は約2800回転と低く、ストレス軽減に大いに貢献した。
そういった「しつけの良さ」を感じる一方で、エンジンノイズや微振動は凡庸だった。KF型エンジンは初出が2005年と古い。度重なる改良が加えられ、今では全体がデビュー時とほぼ別設計となっているものの、3気筒特有のゴロゴロ感はバランスシャフトを持たない日産自動車&三菱自動車の「BR06」に次いで強め。エンジンの質感のトップランナーはホンダの「S07B」だが、そのみっちりとした回転感に比べると少なからず見劣りする。
ただ、燃費といいパワー感といい、各社のエンジンの中で最もデビューが古く、マイルドハイブリッドも実装されていないことを考えると、望外のパフォーマンスだ。ダイハツがいつ完全新造エンジンを投入するかは不明だが、今後の進化が楽しみでもある。

