退職したあとで最も価値観が変わったのは「時間」
退職後は、会社員と比較して大きく人生が変化したと思います。会社員の人生、退職後の人生を両方経験されて、人生において価値観が変わったところはありますか。
退職前後の価値観で最も大きく変わったのは、時間に対する感覚です。
SNSなどを見ていると、「時間よりお金の方が大切」という意見を見かけます。そして実際退職するまでは、僕もそう思っていた節がありました。毎日夜中まで働いてでもいいから、高い年収をもらいたいという考え方ですね。
しかし一度自由な時間を手に入れて、その心地よさを体感することで、初めて時間の大切さを身に染みて感じたのです。むしろ自由な時間を手に入れる前、どれだけ時間を失っていてもその損失にまったく気づいていなかったことに気づいて愕然としました。
会社員である間は、平日に自由な時間が無いことが当たり前でしたから、その状態でさらなる残業や通勤時間でいくら時間を失っても、麻痺していて一切気付きませんでした。21時まで残業するのも、23時まで残業するのも、感覚的に大して変わらなかったのです。
退職するまで、責任も納期も通勤も拘束も何もない、そんな幸せな時間が存在するなんて知りませんでした。
「時間って、本当に大切だ」
「そしてこの幸せな時間を、これからの自分のために大切に使いたい」
これが退職後に私が感じた一番大きな価値観の変化です。
退職後、ダラけた生活をしないコツは?
「退職後=学生時の夏休み」のイメージで、最初は開放感があるものの、自分が過ごしてきた夏休みを振り返るとダラけてしまうように思います。退職後の生活をダラけずに過ごすコツを教えていただきたいです。
「退職=学生の夏休み」という感覚が面白いですね。質問を読んでいてまず思ったのは、「退職をしたあとに、ダラけたらいけないのか?」ということです。
学生がダラけてはいけないのは、学業があるからでしょうか。
会社員がダラけてはいけないのは、仕事があるからでしょうか。
そして、退職した人がダラけてはいけないのは、退職後の生活を常に楽しまないといけないからなのでしょうか。
本当はそんなことはありません。学生だって会社員だって、ずっと真面目に勉強や仕事をし続けていては疲弊してしまいます。もちろん退職した人だって、人生を楽しみ続けなければいけないというルールを自分に課すと疲れてしまいます。みんな、もっとダラけていいのです。
それなのに、どうしてダラけてはいけないと感じてしまうのでしょうか。それは、今までの人生で我々はずっと「ダラけてはいけない」と教えられ続けてきたからです。
退職後の生活の本質とは、「好きなときに好きなことができること」です。ゲームしたければゲームしたらいいし、勉強したければしたらいいし、ダラけたければ、ダラけてもいい。その選択肢があるということを忘れないでください。ダラけずに人生を充実させ続けないといけないなんて、つらいじゃないですか。
何もしない、ムダな日があったって別にいい。
そう考えると、少し楽になりませんか?