最後に3つ目は、明確な専門性を有した人材です。経理や人事などの専門性はもちろん、通信業界に15年長く在籍している通信のプロであったり、ポルトガル語が堪能であったり、アンモニアなどの新エネルギーを扱うプロジェクトに関与していた人であったり、珍しい経験をしている人材が該当します。

 次にデベロッパーに関して。総合商社と同様、総合職採用と専門職採用に分かれています。ただし、総合商社とはその傾向は大きく変わります。

 まず総合職採用に関してですが、同業界出身者だから優遇するといったことがなく、むしろ異業界出身者を歓迎することが特徴だといえます。

 重視しているのは、さまざまなステークホルダーを巻き込みながらプロジェクトワークをした経験があるかどうか。テレビ局出身者や官公庁出身者が多くいることは、総合商社にはない特徴だといえるでしょう。

 専門職に関しては、総合商社とは異なりIT系の採用がメインの印象であり、経理職や人事職などの専門職採用にはそこまで力を入れていない印象です。その背景としては、総合商社ほどカンパニーが強く分かれているわけではないことに加え、前述したゼネラリストとしての育成方針が強く影響していると思われます。

 2つの業界の共通点として押さえておいてほしいことは、第二新卒採用に関してはあまり積極的ではないということです。

 その理由はとてもシンプルです。新卒採用で十分に優秀な人材を確保できるため、わざわざ第二新卒採用でポテンシャル人材を補充する必要がないからです。

 今後少子高齢化の流れを受けて新卒採用で採用できる優秀人材のボリュームが少なくなった場合には採用を積極的に行うことはあり得ますが、若さで勝負するのは難しい業界であることを押さえておいてください。

内定獲得のために今すべきことは?
総合商社志望なら「ハブキャリア」の検討も

 ここまで各業界の採用ニーズについて解説しましたが、大事なことは実際に内定が取れるかです。

 総合商社に関して、投資銀行や戦略系のコンサルティングファーム、あるいは同業の商社に在籍されている方、専門職として明確なスペシャリティーを有している方であれば、何か新しいアクションを起こす必要性はなく、まずは現職で高い実績を上げることに集中していただければ問題ありません。