月1000円から積み立てる「互助会」
加入人数には注意が必要
地域の葬儀会社の人と知り合う機会がなければ、互助会の会員になる方法もあります。冠婚葬祭として、お葬式だけでなく結婚式の費用でも月1000円から積み立てるシステムで、優先的に予約が可能になります。全日本冠婚葬祭互助総会などに所属していて全国組織として規模が大きな葬儀社を選ぶと、引越しした時のリスクも減ります。
なお、家族1人が加入していれば、全員加入する必要はありません。「特別価格で安く入会できる」と勧誘されても、解約手数料を高く取られることもあります。会員になれば映画チケットなどの会員サービスも受けられますが、倒産リスクや葬式プランの制限などもありますので、よく調べてから選ぶといいでしょう。なお、最近は互助会詐欺も増えていますので注意しておくことです。
近所の中小規模の葬儀場が人気で予約が取りづらければ、大き目の葬儀場で数百人の知人を呼ぶという方法もあります。その場合、人数の規模を調べて数百名の参列者リストを作成しておく必要があります。食事のメニューなどまで細かく決めておくことがポイントです。
忘れてはならないのが、葬式代の準備です。すでに生命保険に加入し、死亡保険金を葬式代にしようと備えている方もいらっしゃるかもしれません。
牧田さんの場合は父がエンディングノートに「葬儀代として480万円の保険金を貯めている」と書いてあったのですが、どこの保険会社に加入しているのか見つけ出せず、結局、自分が支払うハメになりました。
葬儀代を死亡保険金から出す場合は、その死亡保険金の受取人に葬儀の手配を依頼しておき、依頼内容を遺言書に書き残しておくのもいい方法です。ただし、自分が死亡した時に、その頼んでいた人が必ず葬式の手配ができるとは限りません。病気だったり、都合がつかなかったりすることもあるからです。
牧田さんは一人っ子で、子どもはいませんし、妻とも離婚し、自分が他界した場合は、自分の葬式は誰が上げてくれるのか不安でした。母の妹(叔母)の娘(姪)とその子どもに頼るしかありませんが、叔母が先に他界し、その姪が留学などしていたら、葬式の手配は難しいでしょう。
そういった場合に「葬式専用の保険」で備える方法もあります。