入店から着席するまでの「禁じ手」とは?

順を追い、まずは入店時の振る舞いから。間取りや仕様は店によりさまざまだが、勇気を出して重厚な扉を開いてみれば、たいてい照明を抑えたシックな空間が出迎えてくれるに違いない。
そこで、カウンターに空席を見つけたからといって、勝手にズカズカ進んで座るのは感心しない。客同士の間隔を適度に保ちたい店もあるし、もしかすると予約が入っているかもしれない。
奥へ進む前に、バーテンダーに軽く会釈でもしながら来店人数を伝えよう。すると、「こちらへどうぞ」と座るべき場所に促してくれるか、あるいは「お好きな席にどうぞ」と言われるので、そこで初めて任意の席に着くのがマナーだ。
というわけで、心得その1。空席があっても勝手に座らないこと。
些細なことだし、人によっては「なぜ客の側がそこまで気を使わなければならないのか」と気分を害するかもしれないが、バーならずとも横柄な客が嫌われるのは言わずもがな。初めての店だからこそ、謙虚に関係性作りから始める気持ちを忘れないでほしい。結果的にそうした初動が、居心地の良い空間を育むことに繋がるはずなのだ。
そして着席する際、意外とよく見かける“禁じ手”がある。手にしていたバッグや紙袋などを、カウンター(あるいはテーブル)の上にどっかりと置いてしまう行為である。
とくに冬場はコートを脱ぐ際など、座る体勢を整えるため、悪気なく一時的に手荷物を卓上に置いてしまいがちだ。しかし、バッグの底面に清潔なイメージを持つ人はまずいない。飲食する場所にそれを置くのが無作法にあたるのは当然のことである。