鹿島、清水、五洋建設、熊谷組…先行指標が「物凄い勢いで改善」、建設セクターの“本命企業”をトップアナリストが解明Photo:Bloomberg/gettyimages

トランプ関税や円高で外需企業が厳しい中、2025年度の本命セクターの一角として期待されているのが「建設」である。価格競争や鋼材価格の高騰により22年度まで低迷していた業界が、一躍脚光を浴びている事情は何か。特集『反撃の日本株! 新時代の最強株&投資術』の#3では、建設需要が伸びている背景や「物凄い勢いで改善」している先行指標について解説しつつ、注目の大手ゼネコンや準大手ゼネコンを分析。業績と株価の躍進が期待できる企業について、具体名を挙げて詳述する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

受注時採算が急激に回復
25年度の本命セクターに?

 意外なセクターが2025年度の主役になるかもしれない――。

 この数年、日本株をけん引してきた半導体関連や総合商社の株価が調整する中、業績の回復期待から株価が堅調に推移しているのが建設セクターである。23年初から25年3月7日までTOPIX(東証株価指数)が45%上昇したのに対して、建設セクターの株価は62%上昇しているのだ。

 大手ゼネコン4社の株価もTOPIXを大きく上回っており、大林組と鹿島の株価は同期間に2倍以上に上昇。鹿島、清水建設、大林組は25年3月期の業績を上方修正している。

 外需産業に不透明感が増す中、建設セクターへの市場の期待感は強い。果たして今後も勢いは続くのか。

 大和証券の寺岡秀明チーフアナリストは「建設セクターは25、26年度にかけてV字回復を見込んでいる。現状の市場予想の『もっと上』に行ってもおかしくない状況になってきている。トランプ関税などの影響も相対的に小さい」と指摘する。

 野村證券の濱川友吾アナリストも建設セクターを強気でみている。

「堅調な需要を背景に各社が値上げを進めており、受注時採算は過去のピークを超えている。これから2年、3年の業績回復の確度は高い」(濱川氏)

 次ページでは「利益率の改善」「受注の回復」などキーワードを中心に建設セクターの今後を分析。外部環境が逆風であっても、業績と株価の躍進が期待できる大手ゼネコンや意外な準大手ゼネコンについても、具体的に名前を挙げて紹介する。