
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#28では、兵庫県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
兵庫県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
みなと銀行、尼崎信金が倒産させた企業は何社?
兵庫県のトップバンクで、りそなホールディングス傘下のみなと銀行は4月、大和銀行(現りそな銀行)出身の持丸秀樹氏を社長に迎えた。りそな銀行出身者がトップに就くのは初めてで、三井住友銀行(旧神戸銀行・旧太陽神戸銀行)出身者が歴代を占めてきた慣例を破る人事となった。
りそなグループとの勘定系システム統合が完了したみなと銀行は、事務効率化で生まれた人員を富裕層ビジネスに振り向ける構えだ。持丸新体制は、2027年3月期に税引き利益100億円という、現状からの倍増計画達成を目指している。
ただ、兵庫県内は山陰合同銀行(島根県)など県外勢が越境貸し出しを拡大しており、競争が激化している。みなと銀行の成長シナリオがつまずけば、資金フローやメインバンク構造に波紋が広がりかねない。
企業を成長させて生かすのも銀行、危機に陥った際に命運を握るのも銀行である。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、再生か倒産かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地方銀行、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、兵庫県の金融機関を取り上げる。みなと銀行、但馬銀行のほか、尼崎信用金庫や姫路信用金庫なども名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の兵庫県の結果を確認していこう。